世界のメープルシロップの多くがカナダ・アメリカで作られています。
サトウカエデが自生しているのが、この比較的狭い範囲に限られているためです。
でも実は日本でも、一部の地域でメープルシロップが作られています。
日本にもカエデは自生していますが、サトウカエデはありません。
日本産のメープルシロップは、イタヤカエデなどカナダとは別の樹種から作られます。
この記事では、大変貴重な国産(日本産)のメープルシロップをまとめました。
お取り寄せできるものは通販情報も載せています。参考にしてください。
購入可能な国産(日本産)メープルシロップ
日本のメープルシロップの主な樹種はイタヤカエデ。北海道から九州の山地で自生する木です。
イタヤカエデはサトウカエデに比べると糖度が低い一方、カルシウム・カリウムなどのミネラルは2~3倍と言われています。
樹液が甘いことは一部の人には知られていたそうですが、本格的にシロップが作られるようになったのは、平成になってからです。
作り方は基本、カナダと同じ。手作業で手間をかけて作られます。
どの地方でも、とれる量はごくわずか。だからお値段も海外産に比べると高くなっています。
埼玉県秩父市のメープルシロップ「和メープル」
埼玉県西部秩父市で、日本のメープルシロップは作られています。その名も「和メープル」
NPO法人「秩父百年の森」が、地元のカエデを生かした特産品が作れないかと活動をスタートさせました。
メープルシロップやカエデ樹液、メープルサイダーなどの商品が開発されています。
売り上げの一部は、秩父の林業再生のために使われるそうです。
カナダは寒いので、日本のメープルシロップも寒い地方で作られているかと思ったら、意外と関東でも作られているのですね。
秩父には日本の楓の28種類のうち、21種類が自生しています。
樹種はイタヤカエデ、オオモミジ、ウリハダカエデ、ヒナウチワカエデなどです。
MAPLE BASE(メープルベース)
2016年春、秩父ミューズパーク内に、日本発のシュガーハウス「MAPLE BASE」がオープン。
豊かな森の恵みを味わえるカフェやショップなどを併設した、五感で体験できる秩父のメープルブランドの発信拠点です
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カフェでは、パンケーキとメープルシロップや、樹液紅茶などがいただけます。
ショップでは、メープル商品やMAPLE BASEオリジナルグッズも購入可能。
お取り寄せも可能です。
秩父産メープルシロップ Dark 2023年産 3,400円(税込)
MAPLE BASE
〒368-0102 埼玉県秩父郡小鹿野町長留1129-1
TEL 0494-26-6150
サイト MAPLE BASE
武甲酒造
秩父の地元酒店でも取り扱いがあります。
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メープルシロップの他、ソーダなども注文可能です。
メープル サイダー Maple CIDER カエデ樹液30% 200ml 387円
武甲酒造
〒368-0046 埼玉県秩父市宮側町21-27
TEL 0494-22-0046
サイト 武甲酒造
山形県金山町のメープルシロップ「楓の雫」
「楓の雫」は、楽天市場で購入できる珍しい国産メープルシロップです。
産地は、山形県北東部、秋田県との県境に位置する、金山町です。
こちらではイタヤカエデからメープルシロップが作られています。
作っているのは、山奥の限界集落にあるログハウス「暮らし考房」です。
昔からこの地方には「2月泣きイタヤ」という言葉がありました。
この2月は旧暦なので、新暦では3月。
3月にイタヤカエデに傷をつけると木が泣き、その涙が甘いという言い伝えです。
1本の楓から生まれるシロップはたったの200cc!とても貴重な国産メープルシロップです。
新潟県村上市のメープルシロップ「楓の蜜」
「楓の蜜」は、新潟県村上市「てまひま工房山専」で作られているメープルシロップです。
イタヤカエデからメープルシロップが作られています。
「てまひま工房山専」は山形県金山町の「暮らし考房」で修行をされた方が、2012年に開いた工房。
残念ながら、ネット販売はしてません。
樹液を瓶詰したメープルサップ「楓のしずく」も販売されています。
ピュアメープルサップ「楓のしずく」
価格は直接「てまひま工房山専」でご確認ください。
てまひま工房山専
〒959-3926 新潟県村上市大毎627
TEL 0254-75-2132
参考サイト 村上市観光協会
北海道白糠町のメープルシロップ
北海道の白糠町「驚きの森」でも、イタヤカエデからメープルシロップが作られています。
白糠町は釧路に近い海沿いの町です。
メープルシロップは、採取した樹液を40~50倍に6時間煮詰めて作られます。
また大変珍しい、オニグルミの樹液から作るシロップも販売されています。期間限定レア商品です。
釧路空港売店「川島商店」、白糠町道の駅「恋問館」で販売されます。
驚きの森
〒088-0343 北海道白糠郡白糠町上茶路
TEL 01547-2-7122
サイト 驚きの森
北海道美幌町のメープルシロップ「オホーツクメープルシロップ」
北海道美幌町でも、メープルシロップは作られています。
北海道の木と言えば白樺を思い浮かべますが、カエデも自生しています。
網走群美幌町では、イタヤカエデ、カラコギカエデから、それぞれメープルシロップが作られています。
美幌町樹液研究会が販売するメープルシロップは、生産数が少なく、すぐに完売してしまう人気商品です。
美幌観光物産協会 物産館ぽっぽ屋で販売されています。お取り寄せも可能です。
びほろブランド認証/オホーツクメープルシロップ(イタヤカエデ) 150g 2,500円(内税)
「オホーツクメープルシロップ」は、ふるさと納税の返礼品にも選ばれています。
北海道占冠村のメープルシロップ「トペニワッカ」
占冠村では「トペニワッカ」という名のメープルシロップが作られています。
「トペニワッカ」とは、アイヌ語で「カエデ樹液」と言う意味です。
樹液は、占冠村(しむかっぷむら)の村木であるイタヤカエデ100%。
樹液はもちろん、煮詰める窯や使用する薪までもが占冠産という、占冠産100%のメープルシロップです。
海外産のとは一味違ったすっきりとした甘さで、後味もさらりとしています。
以前、TBS「マツコの知らない世界」で紹介され、話題になりました。
道の駅内売店「エムアイ企画」・しむかっぷ市場BASE店で販売されるほか、占冠村のふるさと納税の返礼品にも選ばれていますよ。
トペニワッカ 1本132g 5,000円
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採取体験可能な国産(日本産)メープルシロップ
完成したメープルシロップを買うのではなく、自分で樹液を採取して自分で作る体験ツアーもあります。
宮崎県椎葉村のメープルシロップ
宮崎県内陸部の椎葉村でも、メープルシロップは作られます。
2015年に世界農業遺産に認定された、標高1000~1700m級の山々に囲まれた村です。
ただ、こちらはメープルシロップを製品化して販売しているわけではありません。
面白いのは、樹液の採取体験をツアーとして企画しているところ。
1泊2日のメープルシロップ採取ツアーは、2月中旬に行われます。
1泊2食 大人15,000円 子供9,000円(中学生未満)
一般社団法人椎葉村観光協会
〒883-1601 宮崎県東臼杵郡椎葉村大字下福良1826番地108
TEL 0982-67-3139
サイト 椎葉村観光協会
山形県金山町のメープルサップ
楽天市場で購入できると紹介した、山形県金山町の「楓の雫」。
冬は何メートルも雪が積もる豪雪地帯で、春先、雪崩の危険のある中、樹液が採取されます。
「暮らし考房」では、2月~3月にメープルサップ採取体験も可能です。
メープルサップはメープルシロップの元となる、カエデの樹液。そのまま飲んで美味しい飲料です。
暮らし考房
〒999-5411 山形県最上郡金山町中田298
TEL 0233-52-7132
参考サイト 最上地域観光情報サイト
国産(日本産)メープルシロップまとめ
以上、国産(日本産)のメープルシロップについてお伝えしました。
購入可能な国産メープルシロップ
- 埼玉県秩父市のメープルシロップ「和メープル」
- 山形県金山町のメープルシロップ「楓の雫」
- 新潟県村上市のメープルシロップ「楓の蜜」
- 北海道白糠町のメープルシロップ
- 北海道美幌町のメープルシロップ「オホーツクメープルシロップ」
- 北海道占冠村のメープルシロップ「トペニワッカ」
採取体験ができる国産メープルシロップ
- 宮崎県椎葉村のメープルシロップ
- 山形県金山町のメープルサップ
こうして並べてみると、日本各地でメープルシロップが作られているのがわかります。
カナダ産メープルシロップは等級がありますが、国産メープルシロップにはありません。
等級は採取される時期で決まるものですが、国産メープルシロップは種類を分けられるほど量がとれないのでしょう。
いずれはもっと手軽に、日本産メープルシロップが買えるようになると嬉しいですね。
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