アガベシロップとメープルシロップの違いは何でしょう?
最近、日本でも手に入るようになったアガベシロップ。
はちみつのような色と粘度、独特の風味と、強い甘味が特徴の植物由来の甘味料です。
同じシロップということで、よく比べられるのがメープルシロップ。こちらも植物由来の甘味料ですね。
この記事では、アガベシロップとメープルシロップの違いをまとめています。
元となる原材料、産地、GI値、甘さ、特徴を比べました。栄養、カロリーの比較は表にしています。
大さじ1杯当たりのカロリーや甘さの比較表も載せているので、ぜひ参考にしてください。
アガベシロップとメープルシロップの違い
アガベシロップとメープルシロップは、植物由来のシロップという点で同じです。
アガベシロップとメープルシロップの産地・原材料の違い
メープルシロップもアガベシロップも海外からの輸入品が多いです。
メープルシロップは最近日本でも作られるようになりましたが、アガベシロップの日本産はありません。
アガベシロップの原材料・産地
アガベシロップは、アガベという多肉植物から作られるシロップです。
主な生産地はメキシコなどの乾燥地帯。南米、南アフリカでも生産されています。
アガベは、日本では「竜舌蘭(リュウゼツラン)」と呼ばれています。
アロエに似た見た目で、観葉植物として多くの種類があります。
アガベシロップはその中でも、ブルーアガベという品種のピニャ(根茎)から作られます。
メープルシロップ原材料・産地
メープルシロップの主な産地はカナダ、アメリカの一部。
最近では日本産のメープルシロップも生産されるようになりました。
サトウカエデという、大きな木の樹液から作られます。
春先の2週間ほどの期間、木の幹に穴をあけ樹液を取り出し、煮詰めてメープルシロップを作るのです。
アガベシロップが、アガベの根茎を収穫して作るに対し、メープルシロップは毎年同じサトウカエデの木から樹液を採取することができます。
アガベシロップとメープルシロップのGI値の違い
GI値(グリセミック・インデックス)は、炭水化物が分解され、糖に変わるまでのスピードをあらわした数値です。
GI値はブドウ糖を100として、値が割り振られます。
GI値の低い食品は血糖値の上昇が緩やかで、GI値の高い食品は血糖値を急激に上昇させます。
血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度のことです。
このGI値が低いほどダイエットにいいと言われています。
アガベシロップのGI値
アガベシロップのGI値は30です(製品によって多少の差があります)。
アガベシロップは低GI食品として知られ、海外ではダイエットに良いと人気です。
GI値の低さの理由は、果糖にあります。
砂糖は主にブドウ糖からできていますが、アガベシロップの主成分は果糖です。
果糖は肝臓に吸収されて分解されるので、インスリンを必要としません。
そのため血糖値が上がりにくいのです。
メープルシロップのGI値
メープルシロップのGI値は73です。
砂糖や蜂蜜よりも低い値ですが、アガベシロップよりは高いです。
メープルシロップのGI値については、メープルシロップのGI値は?の記事で詳しく解説しています。
アガベシロップとメープルシロップの甘さと特徴の違い
アガベシロップとメープルシロップでは、アガベシロップの方が甘いです。
アガベシロップの甘さと特徴の違い
アガベシロップの甘さは、砂糖の約1.3~1.5倍と言われています。
主成分は果糖(フルクトース)。果糖は糖の中で最も甘みが強いものです。
アガベシロップの味は甘く、クセはありません。
水に溶けやすいので、アイスコーヒーなど冷たい飲み物にもオススメです。
メープルシロップの甘さと特徴の違い
メープルシロップは、アガベシロップよりも甘さは控えめ。
主成分はショ糖(スクロース)です。
メープルシロップの味は甘いだけでなく、独特の風味とコクが感じられます。
はちみつやアガベシロップよりも水分が多く、さらっとしています。
パンケーキやフレンチトーストなど、スイーツメニューの定番です。
アガベシロップとメープルシロップ栄養の違い
カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄はメープルシロップの方が多いです。
ナトリウムは、アガベシロップの方が多いです。
また、カロリーはアガベシロップの方が高いです。
アガベシロップとメープルシロップ栄養比較表
アガベシロップ | メープルシロップ | |
---|---|---|
100グラムあたりエネルギー | 310 kcal | 266 kcal |
脂質 | 0.5 g | 0g |
ナトリウム | 4 mg | 1 mg |
カリウム | 4 mg | 230 mg |
炭水化物 | 76 g | 66.3 g |
食物繊維 | 0.2 g | 0g |
タンパク質 | 0.1 g | 0.1 g |
カルシウム | 1mg | 75 mg |
鉄 | 0.1mg | 0.4 mg |
マグネシウム | 1mg | 18 mg |
メープルシロップは食品成分データベース、アガベシロップはUSDA(アメリカ農務省)の値を表にしています
(参考:100gあたりの砂糖のエネルギーは384kcalです)
アガベシロップ・メープルシロップ・白砂糖の比較表
アガベシロップもメープルシロップも、重さ(グラム)当たりのカロリーは砂糖より低いです。
しかし、大さじ1杯で比べると、砂糖のカロリーの方が低いです。
大さじ1の砂糖、アガベシロップ、メープルシロップのカロリー、重量、甘さを比較すると、以下のようになります。
甘さは白砂糖を1としています。
甘味料大さじ1 | カロリー | 重量 | 甘さ |
---|---|---|---|
砂糖 | 36kcal | 9g | 1 |
アガベシロップ | 65kcal | 21g | 1.3 |
メープルシロップ | 54kcal | 21g | 0.67 |
アガベシロップの食物繊維
アガベシロップには、イヌリンと呼ばれる成分が含まれます。
イヌリンは多糖類ですが、性質上、水溶性食物繊維として扱われます。
ゴボウやニラ、玉ねぎなどの野菜にも含まれるものです。
水溶性食物繊維は、腸の調子を整える効果がありますから、便秘解消などに役立ちます。
一方メープルシロップには、食物繊維は含まれません。
アガベシロップの危険性
アガベシロップを調べてみると、「危険」というコメントも多いです。
アガベシロップの何が危険なのでしょう?
アガベシロップの果糖の問題
低GIで天然由来のアガベシロップ。
危険と言われる理由は、実は果糖の多さにあります。
果糖は血液中でほとんど分解されないので、直接肝臓までいき、消化吸収されます。
果糖は果物にも含まれますが、果物の成分は勿論果糖だけではありません。
ビタミン・ミネラル・食物繊維も含まれているので、健康に悪いということはありません。
しかし、アガベシロップは成分の大半が果糖です。よって、肝臓に負担をかけすぎてしまうのです。
また濃いシロップ状なので、一度に大量に摂取すると、肝臓で詰まる危険性があります。
すると、肝脂肪や中性脂肪が増えてしまいます。ダイエットどころか逆に、不健康に太ってしまう危険もあるのです。
果糖が多いためGI値が低くダイエットによいと言われてのに、果糖が理由で危険と言われるなんて…。
なんでも取りすぎはよくないということでしょうか。
アガベシロップの品質の問題
アガベシロップのもう一つの危険は、品質の問題です。
アガベシロップの生産地は、メキシコなど発展途上国です。
製品や製造過程について厳格な決まりはなく、100%アガベと表記されていても、何かが混ざっていないという保証はないと言われています。
一方、メープルシロップの生産地は、先進国のカナダ・アメリカです。
品質管理 に非常に厳しく、流通しているものの安全性は確保されています。
アガベシロップとメープルシロップの違いまとめ
以上、アガベシロップとメープルシロップの違いについて、お伝えしました。
・主な産地はメキシコ
・原材料はブルーアガベ根茎
・GI値は30
・果糖が多く甘みが強い
・主な産地はカナダ
・原材料はサトウカエデの樹液
・GI値は73
・アガベシロップより甘さ控えめ
アガベシロップは慢性的にとりすぎると、果糖の摂りすぎになります。低GIでも、使うのは少量にとどめましょう。
また買う時は品質にこだわって信頼できる販売元を選びたいですね。有機栽培のものならなお良いと思います。
メープルシロップは、原産国カナダで厳しい品質管理がなされているので、危険性はありません。
栄誉も豊富ですし、砂糖の代わりに使えば健康に良い甘味料です。
メープルシロップもアガベシップも、甘味がありカロリーもあります。
美味しいからと言って、使いすぎには気をつけてくださいね。
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