アガベシロップ、ご存知ですか?
最近、日本でも手に入るようになったアガベシロップ。
はちみつのような色と粘度、独特の風味と、強い甘味が特徴です。
数年、健康ブームで話題になりました。
同じシロップということで、メープルシロップと比べられることも多いです。こちらで詳しく説明します。
原材料比較
アガベシロップとメープルシロップは、植物由来のシロップという点で同じです。
アガベシロップはアガベ由来
アガベはメキシコなどの乾燥地帯に生息する多肉植物です。
日本では竜舌蘭(リュウゼツラン)と呼ばれ、観葉植物として多くの種類があります。
見た目はアロエに似ています。メキシコのお酒として有名なテキーラも、アガベから作られます。
アガベシロップはその中でも、ブルーアガベという品種から作られる甘味料です。
砂糖に比べて甘味は1.5倍前後と、甘味が強いのも特徴です。
メープルシロップはカエデ由来
メープルシロップはサトウカエデという、大きな木の樹液から作られます。
産地は主にカナダ。北米の一部でも生産されています。
詳しくはこちらへ。

GI値(グリセミック指数)比較
GI値とは?
GI値(グリセミック・インデックス)は、炭水化物が分解され、糖に変わるまでのスピードをあらわした数値です。
GI値はブドウ糖を100として、値が割り振られます。
GI値の低い食品は血糖値の上昇が緩やかで、GI値の高い食品は血糖値を急激に上昇させます。
血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度のことです。
このGI値が低いほどダイエットにいいと言われています。
アガベシロップは低GI
アガベシロップ、海外ではダイエットにいいと人気があります。
なぜダイエットによいかというと、GI値が低いからです。
アガベシロップのGI値はなんと30。
メーカーによって、それ以下で表記されているものもあります。
メープルシロップも砂糖よりもGI値が低いですが、73あります。
アガベシロップの方が、メープルシロップよりはるかに低い値です。
GI値の低さの理由は、果糖にあります。
砂糖は主にブドウ糖からできていますが、アガベシロップは、果糖が主成分。
果糖は肝臓に吸収されて分解されるので、インスリンを必要としません。だから血糖値が上がりにくいのです。
GI値についてはこちらも参考にしてください。

栄養・エネルギー比較
栄養成分比較
カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄はメープルシロップの方が多いです。
ナトリウムは、アガベシロップの方が多いです。
また、カロリーはアガベシロップの方が高いです。
参考までに、100gあたりの砂糖のエネルギーは384kcalです。
アガベシロップ | メープルシロップ | |
---|---|---|
100グラムあたりエネルギー | 310 kcal | 257 kcal |
脂質 | 0.5 g | 0g |
ナトリウム | 4 mg | 1 mg |
カリウム | 4 mg | 230 mg |
炭水化物 | 76 g | 66.3 g |
食物繊維 | 0.2 g | 0g |
タンパク質 | 0.1 g | 0.1 g |
カルシウム | 1mg | 75 mg |
鉄 | 0.1mg | 0.4 mg |
マグネシウム | 1mg | 18 mg |
(メープルシロップは食品成分データベース、アガベシロップはUSDA(アメリカ農務省)の値を表にしています)
アガベシロップの食物繊維
アガベシロップには、イヌリンと呼ばれる成分を含みます。
イヌリンは多糖類ですが、性質上水溶性食物繊維として扱われます。
ゴボウやニラ、玉ねぎなどの野菜にも含まれるものです。
水溶性食物繊維は、腸の調子を整える効果がありますから、便秘解消などに役立ちます。
食物繊維はメープルシロップには含まれません。
アガベシロップは危険?
果糖の問題
低GIで天然由来のアガベシロップ。
しかしアガベシロップを調べてみると、「危険」というコメントも多いです。なぜでしょう?
危険と言われる理由は、実は果糖の多さにあります。
果糖は血液中でほとんど分解されないので、直接肝臓までいき、消化吸収されます。
果糖は果物にも含まれますが、果物の成分は勿論果糖だけではありません。
ビタミン・ミネラル・食物繊維も含まれているので、健康に悪いということはありません。
しかし、アガベシロップは成分の大半が果糖です。よって、肝臓に負担をかけすぎてしまうのです。
また濃いシロップ状なので、一度に大量に摂取すると、肝臓で詰まる危険性があります。
すると、肝脂肪や中性脂肪が増えてしまいます。ダイエットどころか逆に、不健康に太ってしまう危険もあるのです。
果糖が多いためGI値が低くダイエットによいと言われてのに、果糖が理由で危険と言われるなんて…。
なんでも取りすぎはよくないということでしょうか。
品質の問題
またもう一つの危険は、品質の問題です。
アガベシロップの生産地は、メキシコなど発展途上国です。
製品や製造過程について厳格な決まりはなく、100%アガベと表記されていても、保証はないと言われています。
一方、メープルシロップの生産地は、先進国のカナダ・アメリカです。品質管理 に非常に厳しく、流通しているものの安全性は確保されています。
まとめ
アガベシロップは慢性的にとりすぎると、果糖の摂りすぎになります。低GIでも、使うのは少量にとどめましょう。
また買う時は品質にこだわって信頼できる販売元を選びたいですね。有機栽培のものならなお良いと思います。
メープルシロップは、原産国カナダで厳しい品質管理がなされているので、危険性はないと思います。
栄誉も豊富ですし、砂糖の代わりに使えば健康に良い甘味料です。
しかし、甘味がありカロリーもあります。
美味しいからと言って、メープルシロップも使いすぎには気を付けたいですね。
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