メープルシロップは名前の通り、メープル(カエデの木)のシロップ(濃厚な糖液)。
独特の風味があり、ホットケーキにかけるのが代表的な食べ方です。
そのメープルシロップの産地や作り方はご存知ですか?
メープルの木の樹液は一年のうち、限られた時期しか採取できません。
この記事では、メープルシロップが採取できる木の種類を国別に解説。
メープルシロップの採取時期と作り方もあわせて載せています。
メープルシロップの産地ごとの木の種類
カナダのメープルシロップの木
カナダのメープルシロップの木は、サトウカエデです。
サトウカエデは、カナダのシンボルツリー。
高さは30~40mになるムクロジ科(カエデ科)の落葉広葉樹です。
カナダ国旗は中央に赤いサトウカエデの葉が配置され、メイプルリーフ旗とも呼ばれています。
カナダのメープルシロップの産地は、カナダ南東部に集中しています。
ケベック州・オンタリオ州・ニューブランズウィック州・ノバスコシア州です。
この地域は夏は暑く、冬はマイナス30℃になるほど寒い気候。
この寒暖差のある気候が、サトウカエデの自生に適しています。
カナダはメープルシロップの生産量・輸出量とも世界一。
とくにケベック州でメープルシロップが取れるのは、サトウカエデが群生しているためです。
アメリカのメープルシロップの木
アメリカのメープルシロップの木も、カナダと同じサトウカエデです。
サトウカエデが自生するのは、カナダと隣接する限られたエリアのみ。
ニューヨーク州やバーモント州が産地として有名です。
日本のメープルシロップの木
日本にもカエデは数多く自生していますが、サトウカエデは自生していません。
公園や街路樹として植林されたサトウカエデはありますが、メープルシロップは作られていません。
しかし、最近は別のカエデから、メープルシロップを採取する地域が増えています。
国産メープルシロップの説明の通り、北海道、山形、埼玉、新潟など、ごく狭い地域で、ごく少量メープルシロップが作られています。
木の種類はイタヤカエデが多いですが、他のカエデが使われることもあります。
イタヤカエデは、北海道から九州までの広い範囲に分布するカエデの一種です。
サトウカエデの紅葉は赤色ですが、イタヤカエデはあざやかな黄色。
樹高15~20mで、サトウカエデより小さい木です。
イタヤカエデのメープルシロップは、サトウカエデから作られるものとは色も味わいも違います。
メープルシロップの作り方(製造方法)
カエデ樹液の採取時期
カエデの樹液が採取できるのは、一日の寒暖差が最も大きくなる春先、2月から4月。
サトウカエデでもイタヤカエデでも、樹液の採取時期は1年に一度、春先のみです。
カエデは夏に樹木の内部にでんぷんを蓄え、冬にでんぷんを糖分に変えて寒さに耐えます。
そして春先に土から水分を吸い上げ、糖分を含んだ樹液を出します。
この樹液が、栄養たっぷりでほんのり甘いメイプルウォーターです。
樹液は無色透明。メープルシロップの色はしていません。
カエデの樹液の収穫方法
カエデの樹液は、カエデの木に穴をあけて採取されます。
カナダでは、細い若い木からは樹液を取りません。
直径30cm以上の木を選んで、樹液を採取します。
1本の木から採取できる量は、約40~80ℓほどです。
昔ながらの手法では木にバケツをつけて樹液をため、シュガーハウス(樹液を煮詰める家)まで運びます。
今は大規模な施設では、チューブで直接工場に運ばれます。収穫も近代化されているのですね。
メープルシロップの作り方
収穫したカエデの樹液を集め、煮詰めてろ過します。
とれたての樹液の糖度は2~3%。これを糖度66%まで煮詰めたものが、メープルシロップです。
40ℓの樹液を煮詰めて作ることのできるメープルシロップは、たったの1ℓだけ!
採取したばかりの樹液は水のようですが、煮詰めることで色がつきます。
砂糖を加熱すると、茶色いカラメルになるのに似ていますね。
メープルシロップをさらに煮詰めて固形にしたものが、メープルシュガーになります。
メープルシロップの木と作り方まとめ
以上、メープルシロップの元となる樹液が採取できる木の種類と、作り方についてまとめました。
- カナダ・アメリカのメープルシロップはサトウカエデから作られる。
- 日本のメープルシロップはイタヤカエデなどから作られる。
- カエデ樹液を採取し、煮詰めてメープルシロップが作られる。
- 樹液の採取時期は、春先の2月~4月のみ。
カナダのメープルシロップは、サトウカエデの樹液を1/40に煮詰めて作られます。
私は調べるまで、てっきり木からあの琥珀色のシロップが出てくるのかと思っていました…。値段が高いのも納得です。
サトウカエデの樹液は、収穫し始めは糖度が高く、収穫の後半は糖度が低くなっていきます。
しかしメープルシロップの糖度は66%と決められているので、樹液の糖度によって煮詰める時間は異なります。
この時間の長さで色や風味が変わるため、メープルシロップは4つの等級に区分され販売されています。
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